免疫力を高めるには腸が超大切でした!~知っておきたい!体を守るチカラの話~

「免疫力」とは、体の中に侵入しようとする細菌やウイルスなどの外敵と闘ったり、体の中で生まれる異常をやっつけたりして、私たちの体を守ってくれる力のこと。

目次

免疫力とは?

私たちのまわりの空気中には、さまざまな細菌やウイルスが漂っています。特に冬場、寒く乾燥した空気はウイルスが好みやすい環境のため、知らず知らずのうちに体内に取り込まれていることもあります。また、毎日3000~5000個くらいの数のガン細胞が私たちの身体の中に自然に出現しています。それでも風邪を引かず、ガンにもならず、平気で過ごせるのは「免疫力」のおかげ。今回は、体を守るチカラ「免疫力」についてご紹介します。

これに関わっているさまざまな細胞を「免疫細胞」と呼びます。血液の中にある白血球やリンパ球という細胞が免疫細胞としてよく知られていますが、まさにボディーガード的役割をしてくれるのです。

年をとると、「若いころに比べて体が弱くなった」と感じることが多くなったと思いませんか?風邪を引きやすくなったり、風邪がなかなか治らなくなったり。他にも、なんとなくだるく、疲れが取れないなど。

実は免疫力は加齢によって低下します。年を重ねると病気にかかりやすくなることも、免疫力の低下と無関係とは言えません。

さらにストレス社会と言われている現代では、年齢に関係なくストレスによって免疫力が低下することも考えられ、食事や生活習慣を見直し、免疫力を高めていく必要があります。

免疫は年ごとに低下し、感染症などの病気にかかるリスクは高まります。また、ストレスによっても免疫力は低下するので、若いからといって油断は禁物です。

免疫はどこにある?

免疫細胞は体のどこにあるのでしょうか。病気などと闘うイメージから全身に均等に存在していそうですが、実際は全身の免疫細胞のうち、7割は腸に存在しているのです。

腸は消化器官というイメージが強いですが、とても大きな免疫器官でもあります。筒状の腸を伸ばすと10メートル、広げると、その面積はなんとテニスコート一面分。腸はその大きさから、口から入ってきた細菌やウイルス、寄生虫や化学物質などと常に接しており、さまざまな異物から体を守るために腸の免疫システム(腸管免疫)が発達しました。近年、この腸管免疫の発達や働きを維持するために腸の中に住み着いている菌、腸内細菌が重要な役割を果たしていることが明らかになってきました。

腸には100種類100兆個とも言われる多くの細菌がいます。人間の体に対してどんな動きをするかによって善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類に分かれ、善玉菌が腸の中で優勢だと腸の中の環境はいいと言えます。

善玉菌
例:乳酸菌、ビフィズス菌など
消化吸収を助けたり、ビタミンの合成や免疫機能を高めてくれるなど、人間の体にとって有益な働きをしてくれる。腸の働きを整えて、便秘や下痢を予防する効果も。
善玉菌が作り出した有益物質は、腸の中を弱酸性に保つため、悪玉菌による腐敗が進むのを防止し、悪玉菌の増加や 有害物質の吸収を抑えてくれる。
悪玉菌
例:ウェルシュ菌、大腸菌など
便秘や下痢を引き起こす。有害物質を作り、たんぱく質を腐敗させたりして、人間の体にとって有害な働きをする。有害物質は腸の壁から吸収されて全身をめぐり、吹き出物や肌のくすみなど肌トラブルを招くことも。
発ガン性物質も作るので、悪玉菌が優勢になると、近年増加している大腸ガンのリスクも高まる。
日和見菌
例:ユウバクテリウム、連鎖球菌など
腸の中で一番数が多い菌。腸内環境の良し悪しによって強い方の味方をする。腸内が健康なとき(善玉菌が強いとき)は有益な働きを、便秘などで腸内の環境が悪くなると(悪玉菌が強いとき)、有害な働きをする。

腸が免疫細胞を強くする

生まれたばかりの免疫細胞は、腸の壁の近くで異物と戦うためのトレーニングを行います。腸の外側の新米免疫細胞に腸内細菌が刺激を与えて、トレーニングを繰り返し、一人前になったら体の中のバトロールができるようになります。

つまり免疫細胞がきちんと働いているのは腸内細菌のおかげ。「腸内環境」 の良し悪しが免疫細胞の働きに大きく関わっているのです。

腸内環境を整えるための4ヶ条

善玉菌を元気に! 悪玉菌を増やさない! 腸内環境を整えるための4つの方法をご紹介します。

01 発酵食品を食べる

まずは善玉菌を多く含む食品を食べることです。善玉菌の代表格としては、乳酸菌とビフィズス菌があげられます。乳酸菌は、ヨーグルトやチーズだけでなく、しょうゆ・味噌(汁)・納豆など、伝統的な日本食にも多く含まれます。納豆に含まれている納豆菌は、悪玉菌を殺す働きを持っているので、腸の中の悪玉菌を減らして、善玉菌を増やすために有効だと言えます。

「生きて」腸に届かなくても大丈夫!

市販されている乳酸菌飲料には「生きて腸まで届く」という商品もあります。では、生きたまま腸へ届かない乳酸菌は、食べても無意味なのでしょうか? 実は、菌は生きていても死んでいても効果があるのです。生きた菌は腸に定着することができますが、そもそも腸には既にぎっしり腸内細菌が住みついており、スペースがないため定着することが難しいのです。死んだ菌は自らがエサとなることで、定着している善玉菌を活性化させるのです。乳酸菌の種類によっては加熱殺菌処理したものが、生きている歯よりも免疫を活性化するということが分かっています。

02オリゴ糖・食物繊維を含む食品を多く摂る!

オリゴ糖や食物繊維は胃で消化・吸収されず腸までやってきます。善玉菌はこれらをエサにしているので、善玉菌を増やすことに役立っているのです。

03高脂肪、高たんぱくな食事を避ける!

ただ単純に善玉菌が増えるような食事をするだけでなく、そもそも悪玉菌を増やさないようにすることも重要です。 食物繊維をあまり摂らずに、肉類を中心とした食生活を送ることは、悪玉菌が増える原因になります。高脂肪、高たんぱく質という欧米の食文化が日本に入ってきたことと、近年の大腸ガンの増加には、密接な関係があると言われています。

04適度な運動、ストレスのない生活を心がける

現代ではなかなか避けることが難しいストレス。過度のストレスは陽の消化液の分泌を抑制して、悪玉菌を存在しやすい環境にしてしまうため、腸内環境が悪くなる原因のひとつです。

しっかりと睡眠を取り、適度な運動でストレスを溜めないようにしましょう。特にウォーキングなどの軽い運動はストレス解消と、便通を促す効果もあるので、おすすめです。

免疫力を高めるには、腸内環境が大切ということや、腸内環境を整える4つの方法についてお伝えしました。

免疫力を高めて病気やウイルスなどの外敵に負けない体をつくるためにも、腸内環境を整える生活を取り入れてみてはいかがでしょうか?

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