女性が長生きする理由はホルモンが関係している?長寿国日本の知られざる4つの理由

長寿国と云われる日本。厚生労働省の令和3年度の調査では、日本の平均寿命は男女共に80歳を上回っています。

『男性:81.41歳』

『女性:87.45歳』

男女比で女性の方が長生きするというのは、有名な話です。それでもその差は6歳と、かなり幅があります。ここまで女性が男性よりも長生きする理由は、なにがあるのでしょう。

今回は、女性が長生きする理由について解説していきます。

目次

長寿の国の日本!世界有数のそのワケは?

長寿の国の日本。それまで『人生80年』と云われた日本ですが、近年では『人生100年』という言葉も聞かれるようになりました。

そして、世界的な規模で見ても日本は圧倒的な長寿を誇っているのです。

出典:「厚生労働省」
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/20-2/kousei-data/siryou/sh0100.html#sec02

これは厚生労働省が令和3年に発表した、平均寿命の国際比較です。この比率で見ても、日本が圧倒的に高い寿命であることが分かります。

そして、やはり世界的に見ても各国の男女比では、やはり女性の方が長生きであることが分かると思います。この比率で見ると、日本の次に女性が長寿の国は「イタリア」、次いで「韓国」そして「スイス」です。これらから見ても、日本の女性の平均寿命が「87・45歳」というのは群を抜いていますね。

その1つの要因に、11年前(2022年現在)に起きた『東日本大震災』にあります。

東日本大震災以降に男女の平均寿命が延びた!

東日本大震災という大災害が起きたことが、日本の男女の平均寿命を延ばしたと云われています。

それは、危機管理能力が上がり、「家族の絆・結束」もそうですが、他には女性の「ホルモンの働き」や「基礎代謝量」「健康意識が強い」ことが大きな要因になっているようです。

女性の方が長生きする4つの理由

震災やコロナ禍の影響で一旦平均寿命は下がった傾向がありました。

震災があった年(2011年)の、震災が起きる前に厚労省が発表していたデータでは、日本人の男女の平均寿命を次のような表にして発表しています。

出典:「日本経済新聞」
https://www.nikkei.com/article/DGKDASDG
2603U_W2A720C1MM8000/

ここでは震災発生前までの平均寿命は

『男性:79.44歳』

『女性:85.90歳』

となっています。しかし、この6歳差というのはその頃から変わってないのですね。

震災が起きる前までは女性はなんと26年もの間、世界水準で1位でした。男性は前年の2010年では4位だったのですが、1年で8位まで落ちています。

それでも、冒頭でお話した日本の男女の平均寿命を令和2年から比べると、女性は0.3歳、男性は0.22歳延びているのです。そしてそれは、震災のあと9年連続で過去最長に高い平均寿命を更新しています。

女性の方が長生きな要因は、災害やウイルスといった健康被害も相まって、女性特有の身体の変化につながっています。

その身体の変化とは?

  • ホルモンの働き
  • 基礎代謝量が少ない
  • 健康意識が強い
  • 人との社会的関係造りが上手い

この4つが、長生きの理由と考えられます。
それぞれの理由を、詳しく解説しましょう。

理由①ホルモンの働き

女性ホルモンの働きを指していますが、女性ホルモンとは「エストロゲン」というホルモンです。このエストロゲンの働きは、以下のものがあります。

血圧を下げる
悪玉コレステロールの血中濃度を下げる

この2つの働きにより、閉経前の女性は心疾患が少ないということが考えられています。

そしてもう1つ男女共にあるホルモンが、脂肪細胞から分泌されている「アディポネクチン」です。このアディポネクチンの働きは、以下のものです。

動脈硬化を抑える

こういった働きがあります。男女共にあるホルモンですが、女性が長寿である理由にはこのホルモンの数値が男性より高いのです。

男性がこのホルモンの働きを増やすためには、「太りすぎ」「痩せすぎ」を防止する必要があります。どちらになっても、このアディポネクチンの働きが低下してしまうからです。男性にありがちな「暴飲暴食」は日ごろから控えるように気を付けましょう。

理由②基礎代謝量が少ない

女性が長生きな理由2つ目は、基礎代謝量が少ないということにあります。基礎代謝とは、人が生きていくために必要な『最低限』のエネルギーのことをいいます。

実は男性に比べて、女性の基礎代謝量は少ない傾向にあります。一見、最低限としているエネルギーが少ないなら男性の方が長生きできるのでは?と感じると思います。

しかし、基礎代謝量が少ないということは次のようなメリットがあります。

老化を促す活性酵素ができにくい

結果、女性は最低限のエネルギーで生きていけるのです。

では、男性はこれができないのかというとそうではありません。先にも述べましたが、男性にありがちな「暴飲暴食」や「喫煙」「激しい運動」「紫外線」を控えることによって、男性でも活性酵素の働きを抑えることができるのです。

理由③健康意識が強い

女性が長生きな理由としては、これが実は1番の理由になっているでしょう。男性に比べて女性の方が、健康意識は高い傾向にあります。

その要因としては・・・

1.月経のリズム
2.通院回数が多い
3.栄養のバランスを考えた食事
4.アルコール摂取が少ない
5.鏡を見る機会が多い

といったように、女性は日ごろから健康意識が男性より高いのです。特に、結婚して家庭を持った女性にはこの意識が非常に高くなります。

夫や子供といった大切な人が自分以外にできることで、無意識にでも健康を考えた食事や行動ができるようになるのですね。

そして、最後に挙げた「鏡を見る機会が多い」というのも、化粧をするときなどに、都度自分の顔色や肌の変化などを見て気付くことがあるからです。

従って、少しでも変化を感じた場合、すぐ病院に行くなどの行動も取るようになります。

男性は反対に化粧もしないため、女性ほど鏡を見る機会が少ないです。そして、いったん外へ出れば付き合いなどで食事や飲酒の機会が多くなります。

「最近、胃の調子が」と思いつつ、忙しさで病院に行く機会も多くありません。

健康状態は常に意識して、少しの変化も気付いたらすぐ病院へ行ってみることをおすすめします。

理由④人との社会的関係造りが上手い

女性はおしゃべりが大好きです。女性同士集まると、何時間でも立ち話ができてしまうくらい一度話し出したら止まりません。

特に、お子さんが幼稚園や小学校に上がるようになると、一気に同じ世代のママと仲良くなります。そんなふうに、女性は持って生まれた人間関係造りが非常に上手いということが長寿にも繋がっているのです。

【人間関係造りが上手いと、なぜ長寿につながるのか?】

男性の場合、一般的には年齢が上がるにつれ、人との付き合いや社会的なつながりに苦手意識が生まれます。定年などで退職し、社会から退いたような感覚になることも関係あるでしょう。独身の場合は一気に孤独になります。

しかし、家庭を持っている男性は定年退職したあとも孤独になることがありません。

それには妻の存在があります。そして、子どもたちや孫たちもいます。

統計的に見ても、独身男性より家庭を持った男性の方が健康的に過ごしているという調査結果もあるのです。女性特有のコミュニケーション能力で夫婦でたくさん会話もするので、孤独感を味わうことがないのです。

ですから、男性でも独身男性より既婚男性の方が長生きです。

やはり、人は人との関わりがとても大事であることが分かります。人との関わりを持つことはそれだけで良い刺激になるのです。そしてできれば、たくさん会話することですね。

男性の場合は仕事でいつもたくさん会話していると思いますが、女性のように井戸端会議的な会話は苦手だと思います。できれば、仕事以外で他愛もない会話をすることもとても大切なことですよ。

一瞬、ムダ口のように感じる会話でも、実はそれこそが脳の活性化にもつながります。

そういう意味では、おしゃべりな男性は機転も早いと思いますので、周りにそういう人がいれば一度観察してみるといいですね。

男女共に健康であることが長生きの秘訣

日本のみならず、世界でも女性の方が長生きなのにはいろいろな要因があることを紹介してきました。

最終的には、男性も女性もひとえに「健康」であることが、いずれにしても長寿の要因になることは間違いありません。

そして、家族の絆や結束といった大切な人を守るといった意識も、生きていく上での大きな力になると思います。

震災やコロナなど、近年は命と向き合うことが多かった年です。これを機会に、もう一度「健康」を意識してみることをおすすめします。

老化の原因などを取り上げた記事もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:【5-ALA特集①】老化の原因!?いつまでも若々しくいたい方が知っておきたいこと

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