息子?それとも娘?近くに引っ越すならどっち?メリットデメリットを徹底解説

遠くに住む子供や孫に会えず、淋しい思いをしていたシニアの方々は、多くいらっしゃると思います。

そんな環境の中で注目されているのが、子世帯の住居から近い距離に住むという「近居」です。

「同居」はなくなぜ「近居」が選ばれているのか、それには親・子それぞれの思いがあります。

今回は「近居」の実態について、そして「近居」するなら息子か娘、どちらがいいのかについてお話しします。

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目次

近居とは?同居との違いは?

国土交通省によると、近居とは「住居は異なるものの、日常的な往来ができる範囲に居住すること」で、具体的には「車や電車で1時間以内の範囲」に住んでいる場合をいいます。

(引用:国土交通省.「NPO活動を含む「多業」(マルチワーク)と「近居」の実態等に関する調査結果について」.http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/02/020614_2_.html,(参照:2023-01-29))

一般的には、スープの冷めない距離、つまり家が隣同士であったり、同じマンションに住んでいたり、同じ敷地内に別々に住んでいたりする場合や、自動車や交通機関で30分程度の距離までのところに住んでいる場合が近居、それ以上の距離は遠居と感じる方が多いようです。

一方同居は、1つの家に親世帯と子世帯が住んでいる形です。

ある調査では、同居よりも近居を望む世帯が増加傾向となっていますが、なぜ今近居が注目を集めているのでしょうか。

それは、親世帯と子世帯の微妙な距離感に関係していると考えられます。

同居より近居

同居の場合、親世帯も子世帯も、それぞれに協力し合うことが多く、親世帯の育児参加もしやすいというメリットがある反面、プライバシーがない、余計な気を遣うなどストレスを感じやすいという側面があります。

特に義両親との同居となる嫁や婿が感じるストレスは大きくなりやすいです。

毎日顔を合わせるのも嫌になってしまうと、日々の暮らし自体が辛くなりますが、近居なら、それぞれの生活スタイルもプライバシーが守れます。

適度な距離感でストレスをあまり感じることのない暮らしが望めるという点が近居の大きなメリットと言えるでしょう。

自治体によっては補助金がでることも

近居は、少子化対策・高齢化対策としても有効な方法と考えらえており、国や一部の自治体では近居を支援するための補助金制度が設けられています。

現在、UR賃貸住宅を対象とした「近居割」、マイホームの購入によって近居を実施する場合の助成金など、自治体によってさまざまな補助金制度が設けられています。

まだ全国的には少ない補助金制度ですが、これからもっと多くの自治体で充実したものが出てくるのではないでしょうか。

近くに引っ越すならどっち?息子世帯?娘世帯?

関東圏で近居している方へのアンケートでは、親が娘世帯の近くに住む娘近居が、親が息子世帯の近くに住む息子近居よりも倍以上の数であることがわかっています。

(引用:東京ガス株式会社.「「近居」という住まい方~親世帯と子世帯の交流実態・意識~」.2013年12月.https://www.toshiken.com/report/docs/community02-summary.pdf,(参照:2023-01-29))

アンケートから見る娘近居と息子近居の違い

この結果を見る限りでは、娘の近くに住むことを希望している親が多いのかもしれません。

近居を選んだ理由についても娘近居と息子近居の違いがはっきり見て取れます。

親が近居を選んだ理由では、

  • 孫の成長を見たい(娘近居の方が息子近居の4倍以上の割合)
  • 適当な物件があった・子世帯の助けができる(息子近居の割合が娘近居よりも少し多い)

子世帯が近居を選んだ理由では、

  • 今住んでいる地域が気に入っているから(娘が息子の4倍近く)
  • 親世帯とのつながりを保ちたいから(娘が息子の3倍近く)
  • 親が希望したから(息子が娘の約1.8倍)
  • 親の老後をサポートしたいから(息子が娘の約1.5倍)

となっています。

また、お互いが相手世帯と会う頻度が週1回以上という世帯が、娘近居全体の5割に対し、息子近居ではその全体のわずか2割強となっているのです。

これらを踏まえ、住むなら息子の近くか娘の近くか、考えてみましょう。

息子世帯の近くに住む

前述のアンケートを見ると、お互いに助け合いたいという気持ちがより大きいというのが息子近居の特徴のようです。

親にとっては頼りがいのある息子がいてくれるだけで安心、その上時々会えるなら淋しくもないというとても穏やかな生活になりそうです。

ですので、老後の自分たちにとって最も気がかりなことが、「いざという時の助け」であると思うなら、息子世帯との近居が良いのではないでしょうか。

ただお互いに頼り、頼られるという関係は、度を過ぎると必要以上に干渉されているような気持ちになる可能性も秘めています。

息子が結婚しているなら、嫁と親との関係性も重要です。

いい意味で気を使える良好な仲なら、助け合いへのメリットは大きいのですが、そうではない場合は義両親からの助けやサポートを、嫁が面倒に感じたり、干渉されていると取られたりする恐れがあります。

孫の世話においても、嫁が嫌がる、逆にしょっちゅうあてにされる、育児についての方針を共有できないなど、思っていたようにいかない場合もあります。

既婚の息子との近居は、嫁とどれだけ良い関係を築けるかによって、メリットにもデメリットにもなると言えます。

娘世帯の近くに住む

娘が小さなころからずっと仲が良く、今でもよく一緒に出掛けるという母親は少なくありません。

私自身の経験も踏まえると、母親と娘のつながりは、女性同士として共有の悩みを相談できるという点もあり、息子よりも気の置けない関係だと言えます。

なので、アンケートで娘世帯の近くに住む親が多いというのは、納得できる結果です。

娘の近くに住めば、ちょくちょく会えるし、育児の相談もしやすい、娘側からは甘えやすいというメリットもあるでしょう。

育児についても、メインで行うのは娘である場合が多く、親からも気軽にアドバイスしやすく、面倒も見てあげやすいと思います。

嫁に対してなら遠慮して言えないことも、娘なら気兼ねなく言えることもあり、特に母親にとって娘の近くに住むというのは、とても気楽なことではないでしょうか。

ただ、既婚の娘の場合は、婿への気遣いを忘れてはいけません。

いくら娘と言えど、結婚しているなら、娘にとって最も大切なのは自分の家族です。

娘が婿の愚痴を言うことはあるでしょうが、親がその娘に同調しすぎてはいけないと思います。

婿への感謝の気持ちを忘れずに、娘夫婦が親世帯へ遊びに来た時も、婿の立場をしっかりと守ってあげましょう。

嫁との関係ほどではないにしても、婿との良好な関係も娘近居を楽しく持続するための秘訣です。

実の娘との付き合い方については、「娘・孫との接し方 実の親子ゆえの難しさと上手な付き合い方について」でまとめましたので、参考にしてみてください。

近居のメリット

ここからは、息子・娘関係なく近居している方や近居を検討されている方が考えるメリットについて紹介します。

何かあったらすぐに駆け付けられる

親世帯・子世帯両方が最も多く考えたメリットは、何かあったときに助け合える、すぐに駆け付けることができるという点でした。

子世帯からは、親の安否確認がしやすい、要支援・要介護となったときの対応がしやすいなどの意見もあります。

子どもや孫のサポートができる

親世帯からは子供のサポートや孫の育児・教育などを手伝えるという意見が多くありました。

国の子育て支援対策は、まだまだ充実しているとはいいがたく、結局のところ親を頼るしかないという子育て世帯が多いというのが現実です。

忙しい中で、必死で子育てをしている子供たちを放っておけないのは、どの親も同じです。

生活リズムが乱されない

同居をしていれば、程度の差はあれ子世帯の生活リズムとのずれで、ストレスを感じることも多くなるのではないでしょうか。

その点、近居なら子世帯との朝食や夕食時間のずれも就寝時間の違いも気になりません。

夫婦2人、もしくはおひとり様でゆっくりと流れる時間を楽しむこともできます。

子世帯にとっても、親が就寝している時間に気を使いながら、帰宅したり、入浴したりする必要がなく、お互いに余計な気を使わなくて済みます。

食費や出費が抑えられる

子世帯では、家計が助かるという意見がありました。

仕事で疲れがたまったときに親世帯へ食事を食べに行ったり、仕事で遅くなりそうなときに孫を親世帯に預けて食事をお願いしたりすることで、食費が減る場合があるからです。

子が一人暮らしの場合なら、親が食事の用意をすることもあるでしょう。

そうすると、子世帯は食費が少なくて済む…という可能性が出てくるのです。

孫がいる場合は、孫のおもちゃや洋服などを祖父母である親世帯が買ってくれる機会は、遠居よりも近居のほうが増えます。

その点でも子世帯の支出は減ることになりますね。

近居のデメリット

メリットだらけの近居のようですが、やはりデメリットも確認しておかないと後でこんなはずではなかったと思うかもしれません。

あてにされ過ぎて負担が増える

これは「いざという時駆け付けられる」というメリットの負の面ともいえます。

「お互いに助け合いたいけれど、あまり頼られても負担になってしまう」と心配しているのは、親も子も同じでした。

孫の世話を見ることが多くなりそうで心配、力仕事やデジタル機器の使い方などでしょっちゅう呼ばれるかもなど、1つ1つ、1回1回は些細なことでも重なると大きな負担になってしまいます。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」ということわざの通り、お互いに助け合う・頼り合うのもある程度で押さえておきましょう。

相手との適度な距離感を持つことが、良好な近居を持続するためのポイントです。

親の介護が負担になるかも

親が元気なうちはいいのですが、もしも認知症になったら、もしも体の自由が利かなくなったら、親の世話が大きな負担になりそうだと心配している子世帯は多いようです。

しかし、この心配は同居でも同じなので、負担が大きくなりそうなときは、介護負担の活用を考えるのが一番ですね。

とにかく私たち親世帯の方は、出来るだけ健康に長生きできるように努めましょう。

経済的な負担が増える

こちらのデメリットは、主に親世帯の意見です。

近居になって、孫と会う機会が増えるといろいろとお金を使うことも増えそうです。

可愛い孫が喜ぶとじいじ・ばあばとすれば、財布のひもも緩みがちなのは仕方がないことかもしれません。

でもほどほどにしておかないと、孫にとっても自分たちにとってもあまり良い影響はなさそうですよ。

食事についても、やはり子世帯と共にする回数が増えるとそれなりに食費がかさみます。

シニアライフを楽しみたいのなら、あまり子世帯に甘えさせないことも必要かもしれません。

まとめ:快適な近居を目指すなら?

シニアにとって理想的ともいえる近居という暮らし方ですが、快適な生活をするには、子世帯と密接になり過ぎないほうが良いと思います。

それぞれ自分たちの暮らしを楽しみつつ、時々集まってお互いを思いやる、自分たちの生活ペースは変えずにサポートするなど、自立した世帯同士の助け合いという形が理想ではないでしょうか。

もちろん、いざという時・緊急の時は何を置いても駆けつけるのは当たり前です。

親としては、子供はいくつになっても子供という思いがどこかに残っているもので、ついつい助けたくなる・アドバイスしたくなるという気持ちもわかります。

ですがそこは、もう少し子供を信じて、彼らが彼らなりに家族を育てていく、その姿を見守りましょう。

子どもや孫の近くにいて、その健やかな育ちを静かに眺める…親にとって至福の時を楽しんでください。

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