嫁姑の関係は、とかくトラブルが起きやすいと言われています。
しかし、結婚した実の娘との関係も結構難しいと感じている方も少なくありません。
血がつながっているだけにトラブルになると、嫁よりも深刻になることさえあります。
今回は、実の娘や家族との接し方についてお話しします。
娘家族が近所に住んでいる場合や遠距離に住んでいる場合の付き合い方についても考えていきましょう。
実の娘だからこそ起こるトラブル
娘というものは、特に母親にとって一番近しい友達のような存在です。
娘が別の家族を持ち、次第に実家から離れていくことに寂しさを感じながらも、ここまで育ててきた充実感と安心感を持ち、親としての幸せをかみしめていたのに…。
気づくと、そんな娘との関係におおきな亀裂が入りかねないトラブルが!
実の親が結婚した娘に感じる違和感や不満
あなたは思い当たることがありませんか?
「結婚した娘が実家へ帰ってくるとき、はじめのころは慣れない結婚生活に疲れているだろうと、ゆっくり休ませていたけれど、それが癖になったかのようにいつまでも甘え放題の娘」
「孫を連れてきてくれるのはうれしいけれど、頻繁に来てはご飯とお風呂を済ませ、当たり前のようにさっさと帰っていく娘にイラッとしてしまう」
「しょっちゅう孫を預けに来られて疲れる」
「何かというと頼ってこられても、こっちにも都合がある」
「実家が近いからと頻繁に里帰りされたら、生活のペースが乱される」
「孫の行事ごとのたびに親の財布をあてにしないでほしい」
このように、やっと子育てが終わったと思っていたのに、なんだかいつまでも娘と孫の世話をしている気分で、自分のやりたいことが自由にできない不満がある方も少なくありません。
確かに孫は可愛いし、お世話もしたいのですが、体力的にも難しいことが多くなっています。
あまり頼られ過ぎても困りますね。
たとえ実の娘だとしても少しくらいは遠慮してほしいという本音が出てくるのも当然ですね。
ですが、娘も親への不満がたまっているみたいです。
実の親へ娘が感じる不満とは?
結婚、新生活と慣れない暮らしが始まってしてしばらくはとても頼りがいがあった親の存在。
「それがいつの間にかうるさくなり、実家へ帰ってもくつろげない」
「変に気を使わなくてはならなくなり、次第に実家と疎遠になってしまった」
娘は結婚して外から実家を見ることで、今までとは違った価値観に気づくことがあります。
また、夫とともに暮らす中で、実家の考え方から離れていくこともあるのです。
それが娘の新しい生活のスタートなのですが、素直に受け止められない親がいます。
また、子どもが生まれると、たびたび育児方針に口を出す親にも困りものです。
娘が感じている親との付き合いが苦痛になっている理由としては、
●親の言うとおりにすれば大丈夫だと考えている
●子育てに口を出し過ぎ
●実家の価値観を押し付ける
●感謝されて当たり前という意識がある
●夫や義実家の悪口を言う
●困ったときに助けてくれない
などがあります。
親と娘、両方の気持ちを見てみると、納得することもありますが、ただすれ違っているだけではないかと思われることもありそうです。
なぜこんな風になってしまうのでしょうか。
実の娘だからこそトラブルに
生まれてからずっとともに暮らし、慈しんできた我が子が、結婚して新しい道を歩むということは、精神的にも親から自立したという意味もあります。
いつまでも実家にいた頃の娘だという感覚が抜けないままですと、遠慮のない態度や言葉が出てしまうことも。
同じように、娘も実の親だからこそつい甘えてしまい、気を使わない言動をしてしまいます。
それが度重なると、
「結婚したのにこんなことを」
「結婚したのに甘えすぎている」
「子供を持ったのにいつまでも親だより」
「結婚したのに親がうるさい」
「私の家族なのに親が口を出す」
と、お互いに不満が出てくるのです。
つまり、実の親子という甘えがあるからこそのトラブルです。
実の娘とうまく付き合うなら「親子なんだから当然」という考えは、捨てるべきです。
娘家族(孫・婿)とはうまく付き合うには
「親子なのだという気持ちを持つな」というのは言い過ぎかもしれません。
でも、娘とうまく付き合うなら、このくらいの気持ちは持っていた方が良いと思います。
その上で具体的な娘・娘家族との付き合い方のポイントをお話ししましょう。
育児方針に口を出さない
実の娘ともめる理由の一つに、子育てへの過干渉があります。
特に初めての子(孫)は、祖父母としてはどうしてもかまいたくなり、結果的に娘や娘の夫に煙たがられることもしばしばです。
娘家族が近所に住んでいれば、子供を預けに来ることも多くなるでしょう。
すると育児の経験者として、助けるつもりで育児に口を出すことが増えます。
でも、度を過ぎた助言は、娘にとって苦言にしか聞こえません。
育児に対するアドバイスは、娘から助けを求められたとき、もしくは娘が困っているときだけにしましょう。
娘の愚痴は広い心で受け止める
実家の気兼ねなさで、娘が夫や義父母についてささいな愚痴を言うこともあるでしょう。
そんな時、あなたはどんな態度をしていますか?
娘と同調したり、逆に娘を注意したり、様々な対応をされていると思いますが、行き過ぎると娘のストレスになりかねません。
夫の悪口を言っても、娘にとっては大切な旦那様です。
実の親に夫の悪口を言われるのは、あまり気の良いものではないと思います。
反対に「それはあなたのここが悪いから」と注意するのも控えましょう。
娘はただ愚痴を聞いてほしいだけ、あなたはただ愚痴を聞いてあげるだけ、それで良いのです。
「大変だったね」「それはちょっと困るね」
娘の気持ちに寄り添った言葉をかけてあげてください。
それだけで娘の心が軽くなります。
孫にとって安心できる存在に
娘の子ども、つまり孫に対しては、どんな風に接すればよいでしょうか。
基本的には、優しいじいじ・ばあばという存在でいればよいと思います。
近所に住む孫なら、しばしば訪ねてくるかもしれません。
時には長時間預かることもあるでしょう。
孫が乳幼児のうちは、怪我だけは気を付けて、甘えさせてあげるだけで十分です。
成長するにつれ、接し方は変わりますが、じいじ・ばあばは、いつでも味方というスタンスがベストです。
娘夫婦の育児・教育方針を尊重したうえで、時には叱ることがあるかもしれません。
でも何があっても、孫にとっては逃げられる場所・甘える場所でいてあげてください。
遠い場所に住んでいる孫は、めったに会えないので、つい甘くなります。
乳幼児のうちは問題ありませんが、学校へ行き始めたら、必要以上に甘やかすことのないようにしましょう。
会う回数が少ないと、あまりなついてくれないかもしれませんが、それは仕方のないことです。
会ったときは、優しくて懐の深いじいじとばあばになれるよう、あなた自身の生活を充実させておきましょう。
孫の世話は無理をしない
共働き夫婦の多い現在、祖父母が孫を預かることも増えています。
娘が近くに住んでいれば、孫の世話を頼まれることが多いかもしれません。
あなたができる範囲で、助けることに問題はありませんが、大変な事情がない限り、必要以上の無理をしてまで預かることはありません。
冷たいようですが、もしあなたの体調が悪い時に孫を預かり、孫の怪我をさせることを考えれば、結局は預からないという選択もありなのです。
もしも娘が頻繁に孫を預けようとするのなら、あなたの方から、
「この日は無理だけど、この日なら大丈夫」
「この日は午前中は駄目だけど、午後だけなら大丈夫」
などと提案してあげてください。
ただ無理というだけではなく、預かれる日や時間も伝えれば、娘は拒否されたとは感じないと思います。
助けるのは頼られたときだけ
娘が心配で、すぐに助けようとする親は、娘や娘の家族にとって迷惑な場合があります。
いわゆる「おせっかい」ですね。
親から見れば、経験不足で危なっかしく見える娘夫婦は、あなたたち夫婦の数十年前の姿ではないですか?
夫婦は2人で協力し、間違い、悩み、ぶつかりながら家族として成長していくものです。
すぐに手助けをするのではなく、見守ってあげてください。
そして、いくら頑張っても無理、解決できない、助けてほしいと娘たちが頼ってくれた時は、しっかりと手を差し伸べてあげてください。
離れて暮らす孫とのコミュニケーション
娘が遠方に嫁いでいったなどで離れて暮らしている場合、遠い場所に住んでいる孫とはどうしても会う回数が少なくなってしまいます。
前述した通り、会う回数が少ないと、あまりなついてくれないかもしれません。
そこで、離れていてもコミュニケーションが取る方法や孫の成長を共有できる方法をご紹介します。
●ビデオ通話
●写真を共有できるアプリ
●手紙などの文通
それぞれ解説していきます。
ビデオ通話
ビデオ通話とは、場所や時間に関係なく、話し相手の顔を見ながら通話ができる機能のことです。
最近では離れた家族とビデオ通話をすることは当たり前になってきました。簡単に孫と直接コミュニケーションをとれる方法です。
少しずつお話ができるようになる1歳後半くらいの孫なら、画面の向こうにいるじいじ・ばあばに興味を示してくれるでしょう。孫の好きなものの話を聞き出したり、孫の好きそうな話をしたりしてコミュニケーションをとりましょう。もしペットなどを飼っているなら、そのペットの様子を見せてあげると喜ぶでしょう。
親がご飯の支度をしている間や、孫が退屈する時間帯などに少し相手をしてあげると親にも孫にも喜ばれるかもしれません。
その際は今電話をかけてよいか、いつ頃ならかけてもよいか、前もって相談しておくとよいでしょう。突然ビデオ通話をかけるのは相手の迷惑になるかもしれないので気を付けましょう。
写真を共有できるアプリを使う
孫と直接コミュニケーションをとれなくても、孫の成長を見たいと思うじいじ・ばあばは多いのではないでしょうか。
そんな時はスマホで写真を共有できるアプリを利用しましょう。
親が撮った孫の写真をアプリに入れてもらうだけで、いつでも孫の写真が確認できます。
親は子どもの写真が整理でき、じいじ・ばあばはいつでもどこでも孫の成長が確認できるので便利です。
アプリによってはコメントができるものがあるので、コメントをすると孫も喜ぶかもしれません。
参考:家族アルバム みてね
注意点としては、親がアプリを利用しないとじいじ・ばあばは写真が確認できないので、前もってアプリを使ってほしいとお願いしておくことが必要です。
また、使い方が分からない場合は会った時などに聞いておくとよいでしょう。
手紙などの文通
昔ながらの方法で、とてもシンプルです。
今や低年齢からキッズフォンなどの携帯電話をもつ時代ですが、字の読み書きを練習する年齢の孫にはうってつけのコミュニケーション方法です。
気軽に電話やメールでやりとりができる時代なので「お手紙送ったよ」とやりとりしていても、実際にどんな手紙が届くのか、届くまでお互いにドキドキワクワクできますね。
内容は本当にたわいもない日常の出来事でいいのです。
「こんなお菓子を食べたよ」「散歩をしたよ」など、近くにいる孫と会話するような感覚で気軽に書けばいいのです。
孫の様子をうかがおうと、長文の手紙を書き宛先を孫の親にしてしまうと、もらった側は身構えてしまいますので注意しましょう。
あくまでも手紙の相手はコミュニケーションをとる孫にしましょう。また、孫が読める漢字や字で書くようにしましょう。
手紙は長くて面倒であれば、ポストカードなどでもいいですね。旅先からポストカードを送る、なんてことも風情があっていいですね。
まとめ:あなたが育てた娘を信じて
いかがでしたでしょうか。
今回は、結婚した実の娘家族との上手な付き合い方や離れて暮らす孫とコミュニケーションをとる方法をご紹介しました。
親の仕事は子供をきちんとした社会人として育てること、彼らが充実した人生を生きられるように育てることだと私は思います。
結婚した娘には、新しい家族ができ、これからその家族を育てていくのです。
淋しく感じるかもしれませんが、そんな娘にとって実の親はもう一番大切な存在ではありません。
でもそれでいいのです。
娘は娘。
あなたはあなたの人生を充実させ、娘家族に負けないような楽しい毎日を過ごすことこそ、娘家族とのより良い付き合いができる一番の方法です。
他にも、転倒しやすいスポットと転ばないための対策などを紹介しています。詳しくは、「【60代70代要注意!!】転倒しやすいスポット8カ所と転ばないための対策」をご覧ください。